CAL(臨床的アタッチメントレベル)では何を調べているの?
目次
歯を支える組織の状態を調べる指標です
「歯ぐきが下がってきた」と感じるときは、歯ぐきの位置に加えて、歯を支える組織の状態を確認することが大切です。
その評価に用いる指標の一つが、CAL(Clinical Attachment Level:臨床的アタッチメントレベル)です。
CALは、歯を支える組織の付着がどの程度失われているかを評価するために用います。
歯周ポケットと同時に測定します
当院の歯周病の精密検査では、原則として1本の歯につき6か所を測る「6点法」で、歯周ポケットの深さを調べます。
CALを詳しく調べる際も、同じ部位で歯周ポケットの深さと合わせて測定・記録します。
歯周ポケットは、現在の歯ぐきの縁からポケットの底までの深さです。一方、CALは、CEJ(セメント・エナメル境)という歯の変わらない位置からポケットの底までを測った値です。
歯周ポケットとCALの値が分かると、歯ぐきが下がっている量(歯肉退縮量)を計算することができます。
被せ物などによってCEJを直接確認できない場合には、補綴物の境目など、確認できる位置を臨床的な基準点として記録することもあります。この場合は、使用した基準点も記録し、同じ基準で経過を比較します。
歯周組織が失われた程度も確認できます
ポケットの深さだけでは、歯を支える組織がどの程度失われているかは分かりません。
歯ぐきが腫れていると、歯槽骨などの組織の破壊が少なくても、ポケットは深くなります。一方、歯周病によって歯を支える組織が失われている場合でも、治療によって歯ぐきの炎症が改善し、引き締まると、ポケットは浅くなります。
ただし、ポケットが浅くなっても、すでに失われた歯槽骨などの支持組織まで元に戻ったとは限りません。
つまり、ポケットは浅いけれど、進行した歯周炎の影響が残っている状態もあります。
歯周炎による炎症が改善したあと、歯を支える組織がどの程度残っているかを確認するには、ポケットの深さだけでなく、CALやX線写真を見る必要があります。
そのため、歯周ポケットとCALを同時に測定し、歯ぐきの腫れや下がり方も含めて、歯周組織の状態を確認します。
歯ぐきの下がりを記録する意味
歯ぐきが下がる「歯肉退縮」が起こると、歯が長く見えるなどの審美的な問題や、歯の根元がしみる知覚過敏が生じることがあります。
ただし、歯ぐきが下がっているからといって、すべてが進行中の歯周病によるものとは限りません。歯の位置や歯ぐきの厚み、ブラッシングによる刺激、過去の歯周病や治療など、さまざまな要因が関係します。
歯肉退縮の位置や程度を記録し、以前の記録や炎症の有無、X線写真などと比較することで、歯ぐきが実際に下がってきているのか、治療の必要性や、どのような対応が可能かを判断する材料になります。
必要な場合に精密検査で記録します
CALを記録する際は、ポケットの深さに加えて、基準となるCEJの位置も各部位で確認するため、ポケットの深さだけを記録する場合より時間がかかります。
そのため当院では、すべての方に毎回行うのではなく、
- 歯ぐきが下がってきたように感じるとき
- 歯肉退縮による見た目や知覚過敏が問題になっているとき
- 歯ぐきの下がりが病的なものか、進行しているかを確認したいとき
- 重度の歯周炎で、部位ごとの破壊の程度を詳しく調べたいとき
- 治療前後や過去の記録と詳しく比較したいとき
などの場合に測定しています。
専用のソフトで記録を管理します
当院では、歯周病検査用のソフト「ペリオナビ」を用いて、歯周ポケットの深さ、CAL、歯肉退縮の検査結果を部位ごとに記録し、過去の結果との比較に活用しています。
CALは、一つの数値だけで診断を決める検査ではありません。歯周ポケットの深さや出血、歯肉退縮、X線写真などと組み合わせながら、歯ぐきや歯周組織に起きている変化を継続して確認するための記録として活用しています。
