自由診療で行う歯周治療について
目次
当院の歯周病治療は、保険診療を基本としています。
一方で、歯周病の治療後に残った歯肉退縮の改善や、保険診療では使用できない材料を用いた再生療法など、自由診療として行う治療もあります。
ここでは、当院で行っている主な自由診療の歯周治療についてご説明します。
根面被覆・歯肉移植
歯周病や歯みがき、歯の位置などさまざまな影響によって歯ぐきが下がり、歯の根が露出した状態を「歯肉退縮」といいます。
根面被覆は、この露出した歯根を再び歯ぐきで覆うことを目的とした治療です。
主に上あごの口蓋から歯肉の結合組織を採取し、歯肉退縮がみられる部分に移植します。
すべての歯肉退縮を元の状態まで戻せるわけではなく、主に外側から見える部位(唇側・頬側)の歯根面が対象となります。また、歯ぐきや骨の状態、歯根の位置などによって、期待できる改善の程度は異なります。
費用は、治療する歯1本ごとに計算します。結合組織の採取、採取部位と移植部位の縫合、術後の投薬などは費用に含まれます。
また、症例によっては、移植部位の歯肉の安定した治癒を助ける目的で、**EMD(エナメルマトリックスタンパク質)**を併用することがあります。その場合には、EMDの費用が1部位ごとに追加となります。
根面被覆・歯肉移植 20,000円/1歯
(EMDを使用する場合 +50,000円/1部位)
レジン固定
歯周病が進行すると、歯を支える骨が減少し、治療によって炎症が改善した後も歯の揺れが残ることがあります。
このような場合には、治療中に複数の歯を接着性レジンでつないで固定し、噛む力による影響を分散させることで、歯列の安定を図ることがあります。
歯周病治療が一段落すると、治療中に行っていた固定を外し、歯の動揺の状態を確認したうえで、最終的な処置として再度固定を行う場合があります。これを、最終的な補綴処置の代わりとなる「レジン固定」と呼びます。
この際、必要に応じてレジンの中にグラスファイバーを組み込み、固定部分を補強します。
また、下あごの前歯を1本失った場合など、欠損部が小さく周囲の歯が安定している場合には、人工歯を隣の歯に接着性レジンで固定する方法を選択することがあります。
隣の歯を削る量を最小限に抑えながら失った歯を補うことができるため、条件が整い、最終的な補綴処置として有効と考えられる場合にご提案します。
他院で同様の処置を受けた部分が壊れた場合にも対応できることがあります。ただし、単に再接着するのではなく、歯の動揺や歯周ポケット、かみ合わせなどを確認し、必要に応じて歯周病治療と再評価を行ったうえで処置を検討します。
レジン固定 10,000円(4歯まで)
グラスファイバー +5,000円
レジンポンティック +10,000円
EMD(エナメルマトリックスタンパク質)
EMDは、エナメルマトリックスタンパク質を主成分とする材料で、歯周組織の再生を促す目的で使用します。
歯周病によって失われた歯周組織の再生療法に用いられるほか、歯根面に新しいセメント質の形成を促す作用が期待されることから、歯肉退縮に対する根面被覆・歯肉移植の際に併用することがあります。
歯肉退縮に対する移植手術に併用することで、移植部位の歯肉の安定した治癒を助け、治療成績を向上させる可能性が報告されており、症例によって使用します。
EMD 50,000円/1部位
EMDを歯周組織再生療法に使用する場合の注意点
当院では、歯周組織再生療法についても、保険診療でリグロスを用いた方法を基本としています。
一方、EMDは長く使用されてきた再生材料であり、症例によって選択肢となる場合があります。当院でEMDを用いた歯周組織再生療法を行う場合は、自由診療となります。
ただし、EMDを用いる歯周組織再生療法では、保険診療と自由診療を組み合わせることはできません。(ブログリンク:保険診療のルール参照)
そのため、EMDの材料費だけを自由診療として追加することはできず、初診・検査・診断、歯周基本治療、再評価、再生療法、その後の管理など、その一連の歯周病治療が保険適用外となります。
この場合の費用は、保険診療で行った場合の診療報酬点数をもとに、1点12円として算定します。
一方、歯周病そのものの治療が終了した後に残った歯肉退縮に対して、保険診療とは区別された自由診療として歯肉移植を行う場合には、移植部位の歯肉の安定した治癒を助ける目的で、EMDを追加して使用することがあります。
同じ材料を使用する場合でも、何を目的とした治療の中で使用するのかによって、保険診療との関係が異なります。
治療をご希望の場合には、現在の歯周病の状態や治療歴を確認したうえで、適応となる治療方法と費用についてご説明します。
