メインテナンスでは何を確認しているの?
目次
歯石取りだけではない定期検診の役割
定期的な歯医者の予約の日。
「今日は歯の掃除の日。」
そんなふうに思っていませんか?
実は、歯科医院でのメインテナンスは、歯をきれいにすることだけが目的ではありません。
歯周病やむし歯をはじめ、お口全体の状態を確認し、小さな変化を早い段階で見つけるための大切な時間です。
定期検診では7つのポイントを確認しています
当院では、主に次の7つを確認しています。
- プラークコントロール
- 歯周病
- むし歯
- 詰め物・被せ物・入れ歯
- お口の粘膜
- お口の機能
- 全身の状態
この中でも、私たちが最も大切にしているのは、毎日のプラークコントロールです。
① プラークコントロール|毎日のセルフケアを確認します
メインテナンスで最も重視しているのは、毎日の歯みがきや歯間ブラシ、フロスなどによるプラークコントロールです。
歯周病もむし歯も、原因となる細菌は歯の表面に付着したプラーク(歯垢)の中で増えていきます。
そのため、
- 磨き残しは増えていないか
- 苦手な場所が改善しているか
- 今のお口に合った清掃方法になっているか
を確認し、必要に応じてセルフケアの方法をご提案します。
歯科医院でのケアは数か月に一度ですが、セルフケアは毎日の積み重ねです。
毎日のセルフケアを続けやすくすることも、メインテナンスの大切な役割だと考えています。
② 歯周病|歯ぐきの状態に変化がないか確認します
歯ぐきの腫れや出血、歯周ポケット、歯の揺れなどを確認し、前回から変化がないかを継続して見ていきます。
症状がなくても、小さな変化が現れていることがあります。定期的に確認することで、必要な対応を早い段階で行いやすくなります。
③ むし歯|初期のむし歯や根元のむし歯を確認します
初期のむし歯は、ご自身では気付きにくいことがあります。
特に、詰め物や被せ物の境目、歯ぐきが下がって露出した根の部分、奥歯の溝などは注意して確認しています。
④ 詰め物・被せ物・入れ歯|長く使える状態か確認します
詰め物や被せ物、入れ歯も、長く使っていると少しずつ変化します。
欠けや緩み、適合状態、清掃のしやすさなどを確認し、今使えているものをできるだけ長く使える状態に保つことも、メインテナンスの大切な役割です。
⑤ お口の粘膜|できものや炎症がないか確認します
舌や頬の内側、歯ぐきなどに傷や炎症、治りにくいできもの、色の変化がないかを確認しています。
気になる変化があれば、必要に応じて詳しい検査をご案内します。
⑥ お口の機能|しっかり噛めるか確認します
かみ合わせや噛みやすさ、お口の動き、飲み込みなども必要に応じて確認します。
歯があることだけではなく、毎日の食事や会話を無理なく続けられることも、お口の健康には大切です。
⑦ 全身の状態|お薬や持病も大切な情報です
新しく飲み始めたお薬や、糖尿病、骨粗しょう症、体調の変化などを伺うこともあります。
全身の状態は、お口の病気や治療方法にも関係するためです。
実際には、お口をきれいにしながら確認しています
歯石や着色を取り除くことには意味があります。
しかし、本当の目的は「きれいにすること」ではなく、お口の状態を正しく確認することです。
プラークや着色が付いたままでは、小さなむし歯や歯ぐきの変化、詰め物や被せ物の境目などが見えにくくなります。
歯や歯ぐきをきれいな状態にすることで、普段は気付きにくい小さな変化まで確認しやすくなります。
また、器具が触れたときや風を当てたときの反応から、異常の有無を確認できることもあります。
歯科医院では、ご自身では届きにくい部分まできれいに整えながら、小さな変化も見逃さないように確認しています。
メインテナンスは、お口全体を守るための時間です
メインテナンスには、ご自宅でのセルフケアと歯科医院での定期検診、それぞれに大切な役割があります。
本当は、毎日のセルフケアだけで健康な状態を維持できることが理想です。しかし実際には、どんなに丁寧に磨いていても、プラークを完全になくすことはできません。
だからこそ、ご自宅では毎日のセルフケアで健康を維持し、歯科医院ではその状態を確認し、小さな変化があれば早めに対応します。
その積み重ねが、10年後、20年後もご自身の歯で食事を楽しみ、お口の健康を維持することにつながると私たちは考えています。
メインテナンスの受診間隔は、お口の状態によって一人ひとり異なります。
これからも長くご自身の歯で過ごしていただくために、一緒にメインテナンスを続けていきましょう。

この記事の執筆・監修
ひしかわ歯科 院長 菱川敏光
日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医
