インプラント治療に関する費用負担と保証について
目次
インプラント治療は、歯を失った部分を人工歯で補う治療ですが、単に人工物を装着するだけの治療ではありません。
インプラント周囲の骨や歯ぐきの状態、かみ合わせ、毎日の清掃状態などを長期的に管理することで、安定した状態を維持していくことが重要です。
そのため、インプラント治療では「壊れた場合の保証」だけではなく、治療の各段階に応じた費用負担と、治療後の管理について以下のように定めています。
インプラント体(フィクスチャー)について
インプラント体(フィクスチャー)は、顎の骨の中に埋入し、骨と結合することで機能します。
十分な診査・診断、治療計画のもとで手術を行った場合でも、以下のような理由により、インプラント体が骨と十分に結合しない場合があります。
- 骨の治癒反応には個人差があること
- 全身状態や生活習慣の影響
- 喫煙による治癒への影響
- 予測困難な生体反応
このような場合には、状態を確認したうえで再治療を検討します。
補綴物(人工歯)装着前に再埋入が必要となった場合
当院の診断や手術手技に明らかな問題がないと判断される場合、再埋入に必要となるインプラント体(フィクスチャー)の材料費は、再度ご負担いただきます。
一方で、当院側の明らかな過失や治療上の問題が認められる場合には、この限りではありません。
また、患者さん側の管理状況が治療結果に影響したと判断される場合には、インプラント体の材料費だけでなく、再治療に必要となる費用をご負担いただきます。
対象となる費用には以下が含まれます。
- 再診査・検査費用
- 治療計画作成費用
- 手術に関する費用
- その他、再治療に必要となる費用
以下のような場合には、患者さん側の管理上の問題として判断されることがあります。
- 指示したメンテナンスを受けていない場合
- 喫煙が継続されている場合
- 術後の注意事項が守られていない場合
- 強い咬合負担が継続している場合
- その他、治療結果への影響が考えられる場合
再治療の必要性および費用負担については、治癒経過や口腔内の状態を確認したうえで、総合的に判断いたします。
上部構造(人工歯)の保証について
インプラント治療完了後に装着する人工歯(上部構造)については、自由診療による歯冠補綴物と同じ保証基準を適用します。
正常な使用範囲で上部構造自体が破損した場合には、以下の基準で対応いたします。
- 装着後2年以内:再製作費用を当院が負担します
- 2年以上3年未満:費用の40%をご負担いただきます
- 3年以上4年未満:費用の80%をご負担いただきます
- 4年以上:保証対象外となります
適用条件
保証を適用するためには、以下の確認を受けていただく必要があります。
- 装着1か月後のチェック
- 装着3か月後のチェック
その後も、インプラント周囲組織の状態確認を含めた定期的なメンテナンスを受けていただくことが必要です。
また、かみ合わせの状態に応じて、ナイトガードなどの使用をお願いする場合があります。
補綴完了後のインプラント体(フィクスチャー)の管理について
補綴完了後のインプラント体(フィクスチャー)については、保証対象として期間を設定するものではありません。
インプラント体は、装着後もインプラント周囲の組織や口腔内環境の影響を受けます。
そのため、インプラント周囲炎や周囲骨の変化などを早期に発見するため、定期的なメンテナンスによって状態を確認します。
メンテナンスでは、
- インプラント周囲の歯ぐきの状態
- 出血や炎症の有無
- 周囲骨の変化
- 清掃状態
- かみ合わせの変化
- 上部構造や部品の状態
などを確認します。
問題が確認された場合には、状態に応じて必要な処置を検討します。
インプラントは「装着して終わり」ではなく、長期的な管理によって健康な状態を維持していく治療です。
インプラント治療の保証対象外となる場合
以下の場合は保証の対象外となります。
- 定期的なメンテナンスを受けていない場合
- 当院から指定した期間を超えて受診間隔が空いた場合
- 喫煙が継続されている場合
- ブラキシズムなど過度な咬合負担による問題
- 外傷や事故による損傷
- 全身状態の変化による影響
- 患者さん自身による不適切な使用や管理
- 転院などにより当院で経過確認ができない場合
また、以下のような状態は保証対象ではありません。
- インプラント周囲炎
- 周囲骨の吸収
- 清掃不良による問題
- 歯周病や口腔内環境の変化による問題
- 加齢や生活習慣による口腔内の変化
当院の考え方
インプラント治療は、人工物を入れることだけが目的ではありません。
歯を失った原因や、お口全体の状態を考慮し、噛む機能を長く維持するための治療です。
そのため、治療後のメンテナンスや口腔全体の管理を含めて、長期的に安定した状態を目指します。
保証制度は、その治療を支える一つの仕組みであり、将来にわたる治療結果そのものを保証するものではありません。
